いま首都圏の水道はどうなっているのか?とか本当に安全か?などという類の本がよく売れているそうですが、やはり消費者の関心の高さがうかがえます。
よく「水道水はまずくて飲めたものじゃない」という意見が多く聞かれますが、それは一概には言えないと思います。少なくとも私共は次のA~Cの3例においてそれぞれは全く違うイメージをもっています。
A.水道本管直結方式の水
B.受水槽方式の水[1](受水槽設備の保守管理が行き届いた所)
C.受水槽方式の水[2](受水槽設備の保守管理が行き届いていない所)
「味覚」での比較はなんともいえませんが、Cに関しては「要注意」としておきます。
受水槽の保守管理はその規模により管理する管轄(窓口)が違いますので注意が必要です。
また蛇口から出てくる水温もAとB,Cではプラスマイナス数度~数十度違うこともざらにあります。特に高架水槽による受水方式の場合、夏季になると湯に近い温度で出てくることもあり、気持ち良いものではありません。
Aがもっとも水温安定性や衛生面でも有利なのは間違いないですが、しかし直結方式の場合季節によって多少塩素臭*が強く感じられることがあります。
従ってあの独特の臭気がどうしても苦手な方はかえって不評の場合が多い様です。
*塩素投入率は季節や気温により調整されています。
*「参考」
10m³以上の受水槽を備えた給水設備は簡易専用水道として、「水道法」で1年以内ごとに1回、水槽の清掃や厚生労働大臣の指定する検査機関等による定期検査などを行うことが義務付けられている。
また有効容量が10m³以下の受水槽の場合は、小規模受水槽水道(専ら一戸の住宅に供給するものは除く)として、県または市条例の規制を受ける。条例では保健福祉事務所・保健所に給水開始の届出を行うこと、また清掃の実施などの管理基準を守ることなどを定めている。
ビル管理法(建築物における衛生的環境の確保に関する法律)では建築物の貯水槽の清掃が義務づけられている。遊離残留塩素の検査、水質検査および貯水槽の掃除をそれぞれ7日以内、6ヶ月以内、1年以内ごとに1回定期的に行わなければならない。