業務用ガス機器の点検レポ

こんにちは、私は株式会社ホクトのハヤシと申します。

いつもはリフォームのブログばかりですが、今回はガス会社としての本質業務について触れたいと思います。


私共のお客様には業務用途にガスをお使いになられるユーザー様がいらっしゃいますが、その第一弾としていわゆる飲食店様の業務用厨房機器(什器とも言います)の交換やメンテナンスの状況をレポートいたします。

下の画像は「業務用テーブルコンロ」と呼ばれるものです。

バーナーや点火つまみが劣化しておりメンテナンスを施しても正常な炎(火力)が得られなくなりました。

DSC_1465.jpg 調理台の上に加工して設置しています

正常な炎が得られないと言う事は「不完全燃焼」を起こしていると言う事です。

後ほど給湯器の所で触れますが、これは大変危険な状況であるので交換を促します。場合によっては「使用禁止」のシールを貼らせて頂きます。

 

早々に新品交換させて頂きました。

DSC_1491.jpg DSC_1489.jpg 当然ながら完全復活です!

店主様、ご無理申し上げましたがご理解頂きありがとうございます。


下の画像は比較的小さめの業務用4升炊き炊飯器です。

油や湯水にさらされないぶん比較的長持ちする機器ですが、接続してあるのは昔からあるゴム管です。

これは2年ごとの交換を推奨していますがとても脆弱なものなので毎日の点検は欠かさずに行って頂きたいです。

IMGP1107.jpg

同じ店舗で、↓ の器具は中華屋さん定番の炒め器(中華レンジ)です

IMGP1111.jpg 大きな火力で中華の調理人が鍋を振るための代表的な調理器です

火が出るメインのバーナー部分はもちろんですが、このバーナーに点火する際、左端に細いオレンジ色のゴム管につながった「点火棒」と呼ばれるものが付いているのですがお分かりいただけるでしょうか。

この「点火棒」の管理がおろそかになっていて、根元にあるガス栓が半開きになっていたり、ゴム管が劣化して膨張していたりキズが付いていたり、「点火棒」自体が目詰まりしていてガス栓を中途半端に開けたぐらいではほとんどガスが出ないものだから微量なガス漏れに近くにいる店員さんは既に鼻(ガス臭)が慣れていてそれに気付かず、入店したお客様から「ガス臭い」と言われ慌てて対処したり、ひどいケースですとガス漏れ警報器が作動してようやくわかったという事など多々あります。

そして意外な盲点として、メインバーナーのガス栓(コックと呼ばれている)にガス用のグリスが内部に塗り込まれているのですが、長年使用したり繁盛店で開閉頻度が高いと、これが飛んでしまうのです(俗にいうオイル切れとかグリス切れと呼ばれています)。すると見た目ガス栓が閉じた状態であっても、本来グリスによって埋まって密封されているはずのわずかなすき間から微量のガスが漏れ出てしまうのです。

まったく油断できない私共が恐れる事象の一つです。

下は「据置式ゆで麺器」のガス接続部分ですが、これはパイプ(ガス管)で直結されています。しかし直結されているからと言ってメンテナンスフリーではありません。

IMGP1110.jpg ガス栓と機器の接続で多く使われているユニオン継手の接続状況

JFEユニオン継手.jpg ユニオン継手とガスケット

ユニオンF形.png ユニオン継手の構造

多くの業務用ガス機器の接続にはユニオン継手と呼ばれる「ガスケット=耐油性紙パッキン」を使用した継手とその手前にはツマミ開閉式のガス栓がつながっていることが多いです。

先ずユニオン継手の弱点は、つながっているパイプや接続してある機器を無理に動かすとネジ部の緩みが発生したり中のガスケットが金属の端面に挟まって密着しているために紙パッキンに亀裂などダメージを与えますので要注意です。

次にユニオン継手の手前に接続してあるツマミ開閉式のガス栓内部にもグリスが使われており、経年と共にグリスが切れて操作に支障出たり無理な扱いをしているとガス漏れが発生することがあります。

ツマミ操作が異常に固くなったり、逆に緩くなってきたら直ちにガス会社に連絡することが肝要です。

IMGP1110.jpg ←ガス管自体は問題なさそうですが機器を無理やり動かしたりするのはご法度です。


下は俗にいう「タケノコバーナー」です。

大きさやタケノコ(バーナー)の本数は何種類もあって火力も様々です。

これも操作つまみであるガスコック部分や接続管の劣化に注意します。特にバーナー自体が容易に動いてしまうために接続管の劣化が激しく最も注意したい箇所です。

炒め調理はもちろんですが、この上に寸胴と呼ばれる大きな鍋を置き長時間熱を入れたりするのに適していますので、スープが命のラーメン屋さん定番の什器です

IMGP1117.jpg IMGP1112.jpg 


FE式給湯器

比較的狭い店舗で、古いビルの中にある厨房に多く現存しているタイプです。

DSC_7685.jpg 

FE式とはその場の空気を吸って外部へ排気するタイプで、給気する場所の環境に大きく左右されるとてもデリケートな方式です。つまり設置側の空気が汚れていたり酸欠状態にあると、うまく燃焼しないため一酸化炭素が発生し直ちに本体の安全装置が働き燃焼が止まります。そして一定の解除プロセスを施さないと再び動作しないように作られています。

FE式はFF式とよく間違えられますが、後者は給排気管という二重のパイプもしくは2本の専用のパイプを用いて外気の空気を吸って外気に排出するため室内の空気は一切汚しません。

更に不完全燃焼(CO)が発生すると即運転が止まる仕組みで安全性が高い方式ですので今でも交換用はもちろん、新しい施設などでも採用されることがあります。

さてFE式に戻りますが、先ずは給排気部分に劣化や損傷がないか日頃の点検が必要です。画像の本体正面左下部に網状の部分がわかると思いますが、これは給気フィルターです。

ここが目詰まりすると不完全燃焼を起こし一酸化炭素(CO)が発生します。

今の給湯器には安全装置が内蔵されていてCOが検出されると燃焼が止まるようになっていますがわずかな量でも外(厨房内)に漏れ出ると大変なことになります。

「ガス漏れ」と並んで最も恐ろしい事象の一つが「一酸化炭素の発生」です。

ガスコンロや炊飯器など、ガスバーナーを使っている機器には常にそういった「燃焼不良⇒⇒一酸化炭素発生」という重大なリスクが潜んでいると思って下さい。


以下、当社のプロスタッフが「微小漏洩の疑いがある蕎麦屋さん」において念入りに調査~メンテナンスを行う現場です。

DSC_6317.jpg まずは細心の注意と根気がいる点検作業から始めます

 

ガス圧相当を空気入力したり開放したり検知器など用いて徹底的に調べます。

DSC_6318.jpg この時点で原因が分かりましたのでグリスアップと軸ねじの固さ調整など行っています

DSC_6319.jpg  上記の続き…オーバーホールとは言わないまでも、ほぼフルメンテナンスします。

 

この後、ガス管の気密テストとガス機器の各箇所すべての漏洩テストを行い安心してガスをお使い頂ける運びとなりました


通常はお店ごとに「火元責任者」を決めて頂き毎日の目視、臭気点検などを促しています

 

以上、ガス供給会社として最も重要な「保安点検と改善作業」の一部を紹介させて頂きました。

簡単にご説明いたしましたがぜひご参考まで。

本件において何かご意見、ご質問などございましたらお気軽に当社までご一報、ご相談下さい。

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